非常食を用意するとき、アルファ米、パン、麺、缶詰などを中心に選び、野菜の備えを忘れていませんか。
災害時は、生鮮野菜を購入・保存・調理することが難しくなり、食事が主食や肉・魚の缶詰に偏りやすくなります。
農林水産省の食品ストックガイドでも、大きな災害時には野菜不足によって、ビタミン、ミネラル、食物繊維などを取りにくくなったという声が紹介されています。
結論からいうと、非常食の野菜は、野菜ジュース・常温保存できるスープ・缶詰・乾燥野菜・フリーズドライ食品を組み合わせて備えるのがおすすめです。
ただし、野菜ジュースだけですべての野菜や栄養を補えるわけではありません。主食、肉・魚・豆のおかず、野菜を使った食品を組み合わせて考えることが大切です。
この記事では、長期保存できる野菜の備蓄方法、商品の選び方、3日分・1週間分の組み合わせ例を紹介します。
この記事について
特定の商品だけで栄養不足を解消できると保証するものではありません。農林水産省やメーカーの公開情報をもとに、災害時の食品備蓄へ野菜を取り入れる方法を整理しています。
- 非常食で野菜を備える5つの方法
- 災害時に野菜を取り入れにくい理由
- 1.長期保存用の野菜ジュース
- 2.常温で食べられる野菜スープ
- 3.野菜や豆の缶詰
- 4.乾燥野菜・乾物
- 5.フリーズドライの野菜スープ・味噌汁
- 非常食の野菜はどれがおすすめ?目的別の選び方
- 非常食の野菜を3日分・1週間分どう備える?
- 野菜ジュースだけで野菜の代わりになる?
- 日持ちする生鮮野菜もローリングストックできる
- ローリングストックで野菜の備蓄を続ける
- 商品を選ぶときに確認したい表示
- 子ども・高齢者・持病がある人の注意点
- 水なしで食べられる野菜の非常食も用意する
- 非常食の野菜に関するよくある質問
- まとめ:非常食の野菜は複数の方法で備えよう
- 参考文献・参考URL
非常食で野菜を備える5つの方法
非常食として野菜を備える方法には、それぞれ長所と注意点があります。
| 種類 | 水・調理 | 長所 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 野菜ジュース | 不要 | 開封してすぐ飲める | 野菜そのものの全成分を含むわけではない |
| 野菜スープ | 調理不要の商品がある | 野菜・豆・穀類などを食事に加えやすい | 塩分とアレルギー表示を確認する |
| 野菜・豆の缶詰 | 多くは不要 | 具材として食べられる | 缶切りの有無と廃棄方法を確認する |
| 乾燥野菜 | 水やお湯が必要な場合が多い | 軽くて省スペース | 調理用水と戻し時間が必要 |
| フリーズドライ | お湯が必要な商品が多い | 軽く、スープなどの種類が多い | 断水や停電直後には使いにくい |
災害直後は水や火を使わない野菜ジュース、スープ、缶詰を利用し、ライフラインや調理環境が整ってから乾燥野菜やフリーズドライ食品を使う方法が現実的です。
災害時に野菜を取り入れにくい理由
災害発生後は、次のような理由で野菜を食べにくくなる可能性があります。
- スーパーやコンビニへ商品が届かない
- 冷蔵庫が使えず、生鮮野菜を保存できない
- 断水によって野菜を洗えない
- ガスや電気が止まり、調理できない
- 避難所の配給がご飯やパンなどの主食中心になる
- ごみや食器を洗う水を減らす必要がある
農林水産省は、備蓄する副菜の例として、日持ちする野菜、野菜の缶詰、野菜ジュース、海藻や切り干し大根などの乾物、即席スープなどを挙げています。
生鮮野菜だけを保存しようとせず、常温で保管でき、洗浄や包丁を必要としない食品も用意しましょう。
1.長期保存用の野菜ジュース
野菜ジュースは、水や火を使わずに開封して飲めるため、災害直後にも利用しやすい備蓄食品です。
通常の紙パックやペットボトル商品だけでなく、備蓄用として賞味期間を長く設定した缶入り商品もあります。
カゴメ 野菜一日これ一本 長期保存用
カゴメの「野菜一日これ一本 長期保存用」は、備蓄向けの缶入り野菜飲料です。
メーカー公式サイトによる主な特徴は次のとおりです。
- 賞味期間は製造日から5.5年
- 1缶190g
- 30品目の野菜を使用
- 野菜350g分を使用
- 食塩・砂糖・栄養強化剤不使用
- 開封してそのまま飲める
「野菜350g分」の意味に注意
製品を作る際に使用した原料野菜の量を示すもので、野菜350gをそのまま食べることと同じではありません。メーカーも、野菜飲料は原料野菜の全成分を含むものではないと説明しています。
野菜ジュースは、野菜を使ったスープや缶詰などと組み合わせ、補助的な備蓄として利用しましょう。
通常の野菜ジュースもローリングストックできる
長期保存用だけでなく、普段飲んでいる野菜ジュースを少し多めに購入し、期限の近いものから飲む方法もあります。
通常商品は長期保存用より賞味期限が短い場合があるため、定期的な確認が必要です。
購入時には次の項目を確認しましょう。
- 未開封時の賞味期限
- 容器の種類と破損しにくさ
- 1回で飲み切れる容量
- 食塩や糖類に関する表示
- 原材料とアレルギー表示
停電中は開封後に冷蔵保存できない可能性があります。大容量ボトルより、1回で飲み切れる缶や小型パックの方が扱いやすい場合があります。
2.常温で食べられる野菜スープ
野菜スープは、野菜だけでなく豆や穀類などを食事へ加えやすい食品です。
長期保存用の商品には、温めなくても食べられるものがあります。水を加える必要がない商品なら、断水時にも利用できます。
カゴメ 野菜たっぷりスープ
カゴメの「野菜たっぷりスープ」は、野菜、豆、穀類を使用した長期保存用のスープです。
公式サイトでは、次の4種類が案内されています。
- トマトのスープ
- かぼちゃのスープ
- 豆のスープ
- きのこのスープ
賞味期間は製造日から5.5年で、常温でも食べられます。
スープは水分も含みますが、備蓄する飲料水の代わりにはなりません。また、主食や主菜として十分な量になるとは限らないため、ご飯、パン、肉・魚・豆のおかずと組み合わせましょう。
味ごとに使用される原材料とアレルギー物質が異なります。小麦、大豆、鶏肉、豚肉、ゼラチンなどが含まれる商品もあるため、個別表示の確認が必要です。
カゴメ野菜たっぷりスープはまずい?口コミ・味・賞味期限を調査
野菜ジュースとスープを組み合わせたセットもある
カゴメの「野菜の保存食セット」には、長期保存用の野菜ジュースと野菜たっぷりスープを組み合わせた商品があります。
ジュースとスープを別々に選ぶ手間を減らしたい場合や、複数の味をまとめて備えたい場合に便利です。
セット内容や入り数は変更される可能性があるため、購入前に現在の商品構成と賞味期限を確認してください。
3.野菜や豆の缶詰
野菜や豆の缶詰は、スーパーでも購入しやすく、ローリングストックに向いています。
候補になる商品は次のとおりです。
- コーン缶
- トマト缶
- ミックスビーンズ
- 大豆の水煮
- ひよこ豆
- グリーンピース
- マッシュルーム
- たけのこや山菜の水煮缶
缶詰のメリット
- 常温で保存できる
- 開封して食べられる商品が多い
- スーパーで少しずつ買い足せる
- 普段の料理で消費しやすい
- 豆類なら主菜や副菜へ取り入れやすい
缶詰の注意点
- 商品によって賞味期限が異なる
- プルタブがない場合は缶切りが必要
- 缶が重く、使用後のごみがかさばる
- 大容量だと開封後に食べ切れない場合がある
- 味付き商品は食塩相当量を確認する
停電中は開封後の食品を冷蔵保存できない可能性があります。1回で食べ切れる容量を選ぶと扱いやすくなります。
4.乾燥野菜・乾物
乾燥野菜は水分を減らしているため、軽く、省スペースで保管できるのが特徴です。
非常食として利用しやすい乾物には、次のものがあります。
- 切り干し大根
- 乾燥わかめ
- ひじき
- 乾燥ねぎ
- 乾燥キャベツ
- 乾燥にんじん
- 乾燥きのこ
- 海苔
味噌汁、スープ、麺、アルファ米などへ加えれば、食感や味に変化を付けられます。
乾燥野菜を備える際の注意点
乾燥野菜には、水やお湯で戻す必要がある商品があります。調理に必要な水量と時間を確認し、飲料水とは別に調理用水も計算しましょう。
また、加熱が必要な商品と、そのまま料理へ入れられる商品があります。購入前に調理方法を確認してください。
災害直後用として調理不要食品を確保し、乾燥野菜は水や熱源を使える段階で利用する構成にすると安心です。
5.フリーズドライの野菜スープ・味噌汁
フリーズドライ食品は軽く、保管しやすいため、備蓄の種類を増やすのに役立ちます。
野菜スープ、味噌汁、豚汁などがあり、ご飯やパンに汁物を加えたいときに便利です。
フリーズドライ食品のメリット
- 軽くて収納しやすい
- 1食分ずつ個包装された商品が多い
- 複数の味をそろえやすい
- 普段の食事で消費しやすい
フリーズドライ食品の注意点
- お湯や水が必要
- カセットコンロなどの熱源が必要になる場合がある
- 汁物は食塩相当量が高い場合がある
- 野菜の量は商品ごとに異なる
商品名に「野菜」と書かれていても、使用量や栄養成分は同じではありません。原材料、内容量、栄養成分表示を確認しましょう。
非常食の野菜はどれがおすすめ?目的別の選び方
| 目的 | 選びやすい食品 |
|---|---|
| 水や火を使いたくない | 野菜ジュース、調理不要の野菜スープ、缶詰 |
| 長期間保存したい | 長期保存用ジュース・スープ、備蓄用缶詰 |
| 収納場所を減らしたい | 乾燥野菜、フリーズドライ食品、海苔 |
| 普段の食事でも使いたい | 通常の野菜ジュース、豆缶、乾物、即席スープ |
| 子ども用に備えたい | 普段から飲み慣れたジュース、やわらかいスープ |
| 塩分が気になる | 食塩相当量を比較し、無塩・食塩不使用商品も検討 |
保存期間だけで決めるのではなく、家族が普段から食べたり飲んだりできるものを選びましょう。
非常食の野菜を3日分・1週間分どう備える?
野菜の備蓄について、「1人1日何本」という一律の基準が公的に決められているわけではありません。
そこで、野菜ジュースだけに偏らず、異なる食品を組み合わせます。
1人3日分の組み合わせ例
- 長期保存用の野菜ジュース:2~3本
- 調理不要の野菜スープ:2食
- 野菜・豆の缶詰:1~2個
- 乾燥野菜またはフリーズドライ食品:2食程度
- 海苔・わかめなどの乾物:適量
1人1週間分の組み合わせ例
- 長期保存用の野菜ジュース:5~7本
- 調理不要の野菜スープ:4~5食
- 野菜・豆の缶詰:3~4個
- 乾燥野菜またはフリーズドライ食品:4~5食
- 海苔・わかめ・切り干し大根:適量
数量は備蓄例です
健康状態、年齢、普段の食事量、商品内容によって必要な組み合わせは変わります。医師や管理栄養士から食事指導を受けている場合は、その指示を優先してください。
2人分なら上記の約2倍、4人分なら約4倍を出発点として、家族の好みと保管場所に合わせて調整します。
野菜ジュースだけで野菜の代わりになる?
野菜ジュースは、災害時に野菜由来の成分を取り入れる選択肢になりますが、野菜そのものの完全な代わりではありません。
加工によって含まれる成分や量が変化し、原料野菜の全成分がそのまま飲料へ入るわけではないためです。
農林水産省の食事バランスに関する案内でも、100%ジュースは補助的なものとして考え、野菜や果物そのものの摂取が減らないよう注意する必要があるとされています。
災害時は次の食品を組み合わせましょう。
- 野菜ジュース
- 具材のある野菜スープ
- 野菜や豆の缶詰
- 乾燥野菜や海藻
- 入手できる場合は日持ちする生鮮野菜
日持ちする生鮮野菜もローリングストックできる
災害が起きた瞬間に、自宅の生鮮食品がすべて食べられなくなるわけではありません。
農林水産省は、じゃがいも、たまねぎ、かぼちゃなどの日持ちする野菜を、普段から少し多めに買い置きする方法も紹介しています。
ただし、季節、室温、保存状態によって日持ちは変わります。停電や高温時には傷みやすくなるため、見た目、におい、触った状態を確認してください。
災害後は、冷蔵庫や冷凍庫に残っている傷みやすい食品から先に使い、その後で常温保存食品へ移る方法もあります。
ローリングストックで野菜の備蓄を続ける
ローリングストックとは、普段から食品を少し多めに購入し、古いものから消費して、食べた分を補充する方法です。
野菜の備蓄では、次の食品が取り入れやすいでしょう。
- 普段飲んでいる野菜ジュース
- 豆やトマトの缶詰
- 乾燥わかめ・海苔・切り干し大根
- フリーズドライの味噌汁やスープ
- レトルトの野菜スープ
長期保存用商品は災害用として保管し、通常商品は普段の食事で回転させると、保存期間と費用のバランスを取りやすくなります。
商品を選ぶときに確認したい表示
賞味期限
「5.5年保存」と書かれていても、購入日から5.5年残っているとは限りません。メーカーが定める賞味期間は、基本的に製造時点から数えます。
通販では残存賞味期限を確認し、届いたら商品の年月表示を記録しましょう。
食塩相当量
スープ、缶詰、即席味噌汁などを組み合わせると、食塩相当量が多くなる場合があります。
商品ごとの栄養成分表示を確認し、特定の商品だけが続かないよう組み合わせます。
糖類や原材料
野菜ジュースには、野菜汁だけの商品や果汁を組み合わせた商品などがあります。商品名だけで判断せず、原材料名を確認しましょう。
アレルギー表示
野菜スープにも、小麦、大豆、乳成分、鶏肉、豚肉、ゼラチンなどが使われる場合があります。
野菜を使った商品だからアレルギー物質を含まないとは限りません。
子ども・高齢者・持病がある人の注意点
子ども
- 普段から飲み慣れた味を選ぶ
- 一度に飲み切れる容量にする
- 辛いスープや硬い乾燥食品を避ける
- 年齢に合った食品か確認する
高齢者
- やわらかく飲み込みやすい食品を選ぶ
- 水分を含むスープも取り入れる
- 食塩相当量を確認する
- 容器を自力で開けられるか確認する
持病や食事制限がある人
糖質、塩分、カリウムなどについて医師や管理栄養士から指導を受けている場合は、一般的な非常食の記事だけで商品を決めないでください。
普段利用している食品を多めに備え、災害時の食事について医療機関へ相談しておくと安心です。
水なしで食べられる野菜の非常食も用意する
乾燥野菜やフリーズドライ食品だけを備えると、断水時に使えない可能性があります。
少なくとも災害直後に利用する分は、次のような調理不要食品を用意しましょう。
- 長期保存用の野菜ジュース
- 常温で食べられる野菜スープ
- 野菜や豆の缶詰
- 開封して食べられるレトルトの煮物
非常食の野菜に関するよくある質問
野菜ジュースは非常食になりますか?
未開封で常温保存できる商品は、非常食の一部として備蓄できます。賞味期限、保存方法、容器の状態を確認してください。ただし、食事や野菜そのものの完全な代わりではなく、補助的に利用します。
長期保存できる野菜ジュースはありますか?
カゴメの「野菜一日これ一本 長期保存用」は、製造日から5.5年の賞味期間が設定されています。購入時点で残っている期間は販売店によって異なるため、商品表示を確認してください。
野菜スープは温めなくても食べられますか?
カゴメの野菜たっぷりスープなど、常温でも食べられる商品があります。すべてのスープが調理不要とは限らないため、個別商品の食べ方を確認してください。
乾燥野菜はそのまま食べられますか?
商品によって異なります。水やお湯で戻すもの、加熱が必要なもの、そのまま料理へ加えられるものがあります。パッケージの調理方法を優先してください。
野菜の缶詰はどのくらい保存できますか?
賞味期限は商品によって異なります。缶底やラベルに記載された年月を確認してください。缶の膨張、液漏れ、強いさびなどがある場合は食べないでください。
野菜の非常食は何日分必要ですか?
野菜食品だけの一律の数量基準はありません。家庭の食品備蓄全体として最低3日分、できれば1週間分を用意し、その中に野菜ジュース、スープ、缶詰、乾物などを分散して組み込みましょう。
まとめ:非常食の野菜は複数の方法で備えよう
災害時の野菜不足に備える方法は、野菜ジュースだけではありません。
今回紹介した主な方法は次の5つです。
- 長期保存用の野菜ジュース
- 常温で食べられる野菜スープ
- 野菜や豆の缶詰
- 乾燥野菜・乾物
- フリーズドライのスープや味噌汁
災害直後は調理不要の商品を使い、水や熱源を確保できた段階で乾燥野菜やフリーズドライ食品を取り入れると、備蓄を活用しやすくなります。
保存期間だけで選ばず、家族が食べられる味、食塩相当量、アレルギー表示、必要な水量も確認してください。
非常食全体の組み合わせについては、こちらも参考にしてください。
非常食おすすめまとめ|備蓄しておきたい主食・おかず・甘いものを紹介
参考文献・参考URL
- 農林水産省|災害時に備えた食品ストックガイド(備蓄食品の選び方)
- 農林水産省|災害時に備えた食品ストックガイド
- 農林水産省|避難中の食事と野菜不足への備え
- カゴメ株式会社|野菜の保存食
- カゴメ株式会社|野菜たっぷりスープ
※商品仕様、賞味期間、セット内容、販売状況は変更される可能性があります。購入前にメーカー公式サイトと商品パッケージで最新情報をご確認ください。


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