チョコレートは調理せずに食べられ、個包装の商品も多いため、災害時のお菓子や補助食として利用できます。
しかし、一般的なチョコレートは高温に弱く、夏の室内や車内では溶ける可能性があります。また、「溶けにくい商品」と「5年などの長期保存ができる商品」は同じではありません。
結論として、普通のチョコレートは温度を管理できる自宅でローリングストックし、夏場や長期備蓄には焼きチョコやチョコ味の保存食品を選ぶのが現実的です。
この記事の結論
- チョコレートは非常食の補助として利用できる
- 主食や主菜の代わりにはならない
- 一般的なチョコレートは28℃以下の涼しい場所で保管する
- 焼きチョコは手で持っても溶けにくい
- 溶けにくくても長期保存できるとは限らない
- 夏の車内や屋外物置には置かない
- 長期間備えるならチョコ味のようかん・クッキー・保存パンも検討する
チョコレートは非常食になる?
チョコレートは、災害時の食事を補助するお菓子として非常食に取り入れられます。
袋を開ければすぐに食べられ、火や水、食器を使いません。個包装なら家族で分けやすく、少量ずつ食べることもできます。
甘いものは、ご飯やレトルト食品が続いたときの気分転換にもなります。そのため、主食・主菜・水をそろえたうえで、嗜好品として備える方法が向いています。
ただし、チョコレートだけで必要な栄養や水分を補うことはできません。あくまで食事を補う間食として考えましょう。
非常食にできるほかのお菓子は、次の記事でも比較しています。
非常食になるお菓子おすすめ12選|スーパーで買える市販品と長期保存品を比較
チョコレートが非常食に向いている理由
調理せずに食べられる
チョコレートは、開封すればそのまま食べられます。停電や断水で調理できないときにも、火や水を使いません。
少量ずつ食べやすい
個包装や一口サイズの商品なら、食欲がないときにも少量ずつ食べられます。家族で分ける場合や、避難時に持ち運ぶ場合にも便利です。
普段から食べて買い足せる
スーパーやコンビニで購入できるため、特別な保存食よりローリングストックしやすいこともメリットです。
賞味期限が近い商品から普段のおやつとして食べ、同じ数を買い足せば、期限切れを防ぎやすくなります。
食事の気分転換になる
災害時の食事は、ご飯、缶詰、レトルト食品など同じような味が続くことがあります。甘いものを少量用意しておくと、食事の選択肢を増やせます。
普通のチョコレートを備蓄するデメリット
夏の高温で溶けやすい
一般的なチョコレートは暑さに弱く、夏の室内でも置き場所によっては柔らかくなります。
明治は、チョコレートを高温多湿の場所に置かず、28℃以下の涼しい場所で保管するよう案内しています。
一度溶けると食感が変わる
チョコレートが高温で溶けた後に再び固まると、表面が白くなることがあります。これは、油脂や砂糖の結晶が表面に現れるブルームと呼ばれる現象です。
ブルームが発生すると、チョコレート本来の風味や口当たりが損なわれる場合があります。
商品によって賞味期限が違う
一般的なチョコレートは、商品によって賞味期限が異なります。「チョコレートだから長期保存できる」と判断せず、購入した商品の表示を確認してください。
5年保存などをうたう防災専用品と、スーパーで販売されている一般のお菓子は分けて管理します。
食事の代わりにはならない
チョコレートはエネルギーを補える食品ですが、主食、主菜、副菜をすべて置き換えられるものではありません。
保存水、アルファ米、パン、肉・魚・豆の缶詰などを用意したうえで、補助的に加えましょう。
チョコレートは何度で溶ける?
商品の配合によって違いはありますが、一般的なチョコレートは気温が高くなると柔らかくなります。
メーカーが28℃以下での保存を案内している商品なら、室温が28℃を超える部屋へ長期間置かないようにします。
| 保管場所 | チョコレートの備蓄 | 注意点 |
|---|---|---|
| 温度変化の少ない室内 | 向いている | 直射日光と高温多湿を避ける |
| 冷蔵庫の野菜室 | 条件付きで可能 | 密封し、結露やにおい移りに注意 |
| 夏の車内 | 向いていない | 短時間でも高温になる可能性がある |
| 屋外物置 | 向いていない | 季節による温度変化が大きい |
| 屋根裏 | 向いていない | 夏に高温になりやすい |
夏や冬の備蓄食品の選び分けについては、次の記事も参考にしてください。
溶けにくいチョコレートの選び方
焼きチョコを選ぶ
焼きチョコは、表面を焼き固めるなどの製法によって、普通の板チョコよりも手で持ったときに溶けにくく作られています。
代表例の一つが、森永製菓の「ベイク」です。メーカーは、独自の焼きチョコ製法を使い、手で持っても溶けにくいことを特徴として紹介しています。
ただし、ベイクの商品情報にも「直射日光・高温・多湿を避けて保存」と記載されています。溶けにくいからといって、高温の車内や物置へ長期間置けるわけではありません。
チョコ味を練り込んだお菓子を選ぶ
チョコ味の生地を使ったクッキーやビスケットは、表面全体をチョコレートで覆った商品より、周囲を汚しにくい傾向があります。
防災用として選ぶ場合は、次の点を確認しましょう。
- チョコレートが表面にコーティングされていないか
- 個包装になっているか
- 賞味期限が十分残っているか
- メーカー指定の保存方法に合う場所があるか
- 家族のアレルギーに該当しないか
チョコ味の長期保存食品を選ぶ
数年間の備蓄を目的にするなら、チョコレートそのものだけでなく、チョコ味の長期保存食品も候補になります。
- チョコ味のようかん
- チョコ味の保存クッキー
- チョコ味の保存ビスケット
- チョコ味の缶パン
- チョコ味の長期保存パン
これらはチョコレートそのものとは原材料や食感が異なりますが、常温で長期間保管できる商品があります。
なかでもチョコえいようかんは、チョコレートのような風味を楽しめる長期保存食品です。
チョコえいようかんはまずい?無印との違い・口コミ・どこで売ってるか解説
普通のチョコ・焼きチョコ・長期保存食品の違い
| 種類 | 溶けにくさ | 保存期間 | 向いている備え方 |
|---|---|---|---|
| 板チョコ・粒チョコ | 高温で溶けやすい | 商品による | 室内でローリングストック |
| 焼きチョコ | 手で溶けにくい | 商品による | 持ち歩き・短期備蓄 |
| チョコ味のクッキー | 商品による | 長期保存品もある | 家庭備蓄・防災リュック |
| チョコ味のようかん | 形が崩れにくい | 長期保存品もある | 長期間の家庭備蓄 |
| チョコ味の保存パン | チョコが流れ出にくい | 長期保存品もある | 主食とおやつの補助 |
「溶けにくさ」「賞味期限」「保存可能な温度」は、それぞれ別の項目です。
商品を選ぶときは、「手で溶けにくい」という広告表現だけで判断せず、パッケージの賞味期限と保存方法を確認してください。
夏のチョコレートの保存方法
直射日光の当たらない室内へ置く
窓際やキッチンのコンロ付近を避け、温度変化の少ない食品棚へ置きます。
同じ部屋でも、棚の上部は暖かい空気がたまりやすいため、室温を確認して保管場所を決めましょう。
冷蔵庫では密封して保存する
室温が高い場合は、密封できる袋や容器に入れて、冷蔵庫の野菜室で保管する方法があります。
密封するのは、ほかの食品からのにおい移りや湿気を防ぐためです。食べるときは必要な分だけ取り出し、急激な温度変化による結露にも注意します。
停電を想定する
冷蔵庫で保管していても、停電が長引けば庫内温度は上がります。
非常食をすべて冷蔵庫へ入れるのではなく、室温で保管できるビスケット、ようかん、保存パンなども組み合わせましょう。
賞味期限が近いものから食べる
一般的なチョコレートは、長期間しまい込むより、日常的に食べて買い足す方法が向いています。
- 賞味期限を確認する
- 期限の早い商品を手前へ置く
- 普段のおやつとして食べる
- 食べた分を買い足す
- 夏前に保管場所を見直す
チョコレートを車に置いても大丈夫?
一般的なチョコレートを、非常食として車内へ置きっぱなしにするのはおすすめできません。
夏の車内は、メーカーが指定する保存温度を大きく超える可能性があります。焼きチョコも「手で持ったときに溶けにくい」ことと、「車内で長期保存できる」ことは別です。
車載用の非常食を選ぶ場合は、メーカーが車載や高温環境への対応を明記している商品を優先してください。
車載用の非常食おすすめは?高温対応の食品・保存水と置きっぱなしの注意点
チョコレートを備蓄するときの注意点
- 主食・主菜・保存水を先に用意する
- 商品に表示された保存方法を守る
- 賞味期限を長期保存年数と決めつけない
- ナッツ、乳成分、大豆などのアレルギー表示を確認する
- 子どもが食べられる商品か確認する
- 夏前に置き場所と商品の状態を点検する
- 開封後は賞味期限にかかわらず早めに食べる
保存缶と普通のお菓子の違いについては、次の記事でも解説しています。
保存缶のお菓子は普通の商品と何が違う?賞味期限が長い理由を解説
チョコレートの非常食に関するよくある質問
板チョコは非常食になりますか?
温度を管理できる室内でローリングストックするなら、補助食として利用できます。ただし、高温で溶けやすく、主食や主菜の代わりにはなりません。
溶けないチョコレートはありますか?
焼きチョコなど、手で持っても溶けにくく作られた商品があります。ただし、どのような高温環境でも品質を維持できるとは限りません。商品の保存方法を確認してください。
ベイクは非常食として5年保存できますか?
ベイクは手で溶けにくい焼きチョコですが、5年保存の防災専用品として紹介されている商品ではありません。賞味期限は購入したパッケージで確認し、ローリングストックするのが適しています。
冷蔵庫に入れたチョコレートは停電後も食べられますか?
停電時間、庫内温度、商品の状態によって異なるため、一律には判断できません。異臭、カビ、包装の異常などがある場合は食べないでください。
チョコレートが白くなったのはカビですか?
温度変化によるブルームの可能性があります。ただし、見た目だけで安全性を断定することはできません。保管状況が分からない場合や、異臭・カビなどの異常がある場合は食べない方が安全です。
長期備蓄には何を選べばいいですか?
数年間保管したい場合は、チョコ味のようかん、保存クッキー、保存ビスケット、缶パンなど、メーカーが長期保存を明記している商品が候補です。
まとめ
チョコレートは、災害時の間食や気分転換に使える補助的な非常食です。
ただし、普通のチョコレートは高温に弱いため、夏の車内や屋外物置での備蓄には向いていません。
- 普通のチョコは室内でローリングストックする
- 一般的なチョコは28℃以下を目安に保管する
- 溶けにくさと長期保存は分けて考える
- 焼きチョコでも高温の車内には置かない
- 長期備蓄にはチョコ味の保存食品も取り入れる
主食・主菜・保存水をそろえたうえで、家族が普段から食べ慣れているチョコレートやチョコ味のお菓子を少量加えましょう。


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