非常食として缶詰を用意するとき、「家族分は何缶あれば足りるのだろう」と迷うことがあります。
現実的な目安は、肉・魚・豆などの主菜になる缶詰を1人1日1缶です。この考え方なら、1人で3日分は3缶、4人家族で1週間分は28缶となります。
ただし、公的資料で「1人につき必ず1日1缶」と決められているわけではありません。缶詰の大きさや、レトルト食品などを何食取り入れるかによって必要数は変わります。
この記事では、缶詰を1日1回食べる場合と、3食すべての主菜を缶詰でそろえる場合に分けて、人数別の必要数を計算します。
この記事の結論
- 現実的な目安は1人1日1缶
- 1人分は3日で3缶、1週間で7缶
- 4人家族は3日で12缶、1週間で28缶
- 毎食缶詰を使う場合は、1人3日で9缶、1週間で21缶
- 缶詰だけにせず、レトルト食品や常温保存食品も組み合わせる
非常食の缶詰は何缶必要?
非常食の缶詰は、肉・魚・豆などの主菜になる商品を1人1日1缶用意するところから始めるのがおすすめです。
計算式は次のとおりです。
必要な缶数=家族の人数×備蓄する日数×1日あたりの缶数
例えば、4人家族が1人1日1缶を7日間食べる場合は「4人×7日×1缶=28缶」です。
農林水産省は、主食と主菜を組み合わせて最低3日分、できれば1週間分程度を確保するよう案内しています。缶詰は、そのまま食べられる主菜の一部として取り入れます。
非常食全体の必要量については、以下の記事でも詳しく計算しています。
非常食は何日分必要?3日分・1週間分の備蓄量を1人・家族別に解説
1日1缶で計算した人数別の必要数
まずは、昼食または夕食の主菜として、1人1日1缶を食べる場合を計算します。
| 家族の人数 | 3日分 | 1週間分 |
|---|---|---|
| 1人 | 3缶 | 7缶 |
| 2人 | 6缶 | 14缶 |
| 3人 | 9缶 | 21缶 |
| 4人 | 12缶 | 28缶 |
| 5人 | 15缶 | 35缶 |
これは、残りの主菜をレトルト食品、常温保存できる豆腐、ロングライフ牛乳、乾物などで補う前提の数量です。
缶詰は調理せず食べられるため、電気・ガス・水道が止まった直後の食事に向いています。一方、缶詰だけを大量に用意すると、重さや保管場所、ごみの問題が大きくなります。
3食すべての主菜を缶詰にすると何缶必要?
朝・昼・夕の3食すべてで、1人につき1缶を使う場合は次の数量になります。
| 家族の人数 | 3日分 | 1週間分 |
|---|---|---|
| 1人 | 9缶 | 21缶 |
| 2人 | 18缶 | 42缶 |
| 3人 | 27缶 | 63缶 |
| 4人 | 36缶 | 84缶 |
| 5人 | 45缶 | 105缶 |
農林水産省東海農政局の資料では、主菜を1人3日分なら9食、1週間分なら21食確保する考え方が示されています。
すべての主菜を缶詰でそろえるなら、この食数と同じだけ必要です。しかし、4人家族で1週間分なら84缶となり、家庭で保管するにはかなりの量です。
実際には缶詰だけで84食分そろえる必要はありません。レトルトのおかずや常温保存食品を組み合わせ、主菜全体で必要な食数を満たしましょう。
1人1日1缶を基本にする理由
調理せずにたんぱく質を補いやすい
ツナ、サバ、イワシ、焼き鳥、大豆などの缶詰は、開封後すぐに食べられます。水や熱源を使わずに主菜を用意できるため、災害発生直後の食事に便利です。
ただし、缶詰1個だけで1日に必要な栄養をすべて補えるわけではありません。アルファ米、パン、パックご飯などの主食も必要です。
非常食でたんぱく質を補うには?常温保存できる食品7種類を比較
種類を変えれば飽きを抑えられる
同じ種類の缶詰を何日も食べ続けると、味に飽きてしまう可能性があります。
魚、肉、豆、野菜、果物などを組み合わせれば、味だけでなく栄養の偏りも抑えやすくなります。
レトルト食品との組み合わせが現実的
1人1日1缶を基本にして、ほかの食事にはレトルトのおかずやスープを使えば、缶詰の保管量とごみを減らせます。
缶詰とレトルト食品を選ぶときは、以下の記事も参考にしてください。
非常食の缶詰は種類別に分けて数える
「缶詰を10缶持っているから安心」とは限りません。何のために食べる缶詰なのかを分けて確認しましょう。
| 種類 | 主な商品 | 備蓄での役割 |
|---|---|---|
| 主食 | 缶飯、パンの缶詰 | 炭水化物やエネルギーの補給 |
| 主菜 | サバ、ツナ、焼き鳥、豆 | たんぱく質の補給 |
| 副菜 | コーン、野菜、煮物 | 食事の種類を増やす |
| 果物 | みかん、桃、パイナップル | 水分や甘味を補う |
| おやつ | ビスケット、乾パン、菓子 | 間食や気分転換 |
今回の「1人1日1缶」という計算は、基本的に肉・魚・豆などの主菜缶を対象にしています。パン缶やビスケット缶を同じ数に含めると、主菜が不足する可能性があります。
大きな缶詰は1缶を家族で分けられる?
1缶を何人で食べられるかは、商品の内容量によって異なります。
小型のツナ缶や焼き鳥缶は、1人で1缶を食べる想定が分かりやすいでしょう。一方、大型のサバ缶や煮物缶は、商品によっては2人で分けられます。
購入するときは、次の表示を確認してください。
- 内容量と固形量
- 1缶あたりのエネルギー
- たんぱく質量
- 食塩相当量
- 何人で食べる予定か
- 開封後に食べ切れる量か
災害時は冷蔵庫を使えない可能性があります。大容量缶を開封して余らせるよりも、1回で食べ切れる小型缶を人数分用意した方が管理しやすくなります。
非常食向け缶詰の選び方
缶切りが不要な商品を選ぶ
非常食として用意するなら、プルトップ式など、道具を使わずに開けられる商品が便利です。
缶切りが必要な商品を備蓄するときは、缶切りの保管場所を家族で共有しておきましょう。
そのまま食べられる商品を選ぶ
加熱が必要な商品は、停電やガス停止時に食べられない可能性があります。商品表示を確認し、常温のままでも食べられるものを優先します。
非常食は温めなくても食べられる?レトルト食品をそのまま食べる注意点
塩分が偏らないようにする
味付けの濃い缶詰ばかりそろえると、のどが渇きやすくなります。水煮、薄味、味付きの商品を混ぜ、栄養成分表示の食塩相当量も確認しましょう。
家族が普段から食べる商品を選ぶ
長期保存できても、家族が食べられなければ備蓄として活用しにくくなります。辛さ、骨の有無、硬さ、アレルギー表示も確認してください。
特に子ども、高齢者、食物アレルギーのある人には、普段から食べられることを確認した商品を別に用意します。
缶詰だけを備蓄するのがおすすめできない理由
缶詰は便利ですが、次のような弱点もあります。
- まとめて保管すると重い
- 空き缶のごみが出る
- 同じ味が続くと飽きやすい
- 塩分が多い商品もある
- 主食が不足しやすい
- 缶のへこみやさびを定期的に確認する必要がある
缶詰は主菜の一部として使い、アルファ米、パックご飯、パン、レトルト食品、スープなどと組み合わせることが大切です。
空き缶やパウチの処理については、以下の記事で詳しく解説しています。
缶詰はローリングストックで管理する
一般的な缶詰の賞味期限は、製造後おおむね3年が目安とされています。ただし、実際の期限は商品ごとに異なるため、缶に表示された日付を確認してください。
家庭では、普段から食べている缶詰を少し多めに購入し、食べた分を買い足すローリングストックが続けやすい方法です。
- 家族に必要な缶数を決める
- 賞味期限が早い缶を手前に置く
- 普段の食事で古い缶から食べる
- 食べた数と同じ数を買い足す
- 半年に1回程度、缶の状態と期限を確認する
非常食のローリングストックとは?おすすめ食品と1週間分の備蓄リスト
非常食の缶詰に関するよくある質問
4人家族では缶詰を何缶用意すればいい?
1人1日1缶を基本にする場合は、3日分で12缶、1週間分で28缶が目安です。ほかの主菜として、レトルト食品や常温保存食品も用意してください。
1人暮らしでは何缶必要?
1日1缶なら3日分で3缶、1週間分で7缶です。すべての主菜を缶詰にする場合は、3日分で9缶、1週間分で21缶となります。
子どもも大人と同じ1缶で計算する?
子どもの年齢や食べる量、缶の大きさによって変わります。大きな缶を親子で分けられる場合もありますが、必要数だけでなく、食べ切れる量と栄養成分を確認しましょう。
果物缶も必要な缶数に含めていい?
果物缶は副菜や間食として数え、肉・魚・豆などの主菜缶とは分けて管理するのがおすすめです。果物缶だけでは主菜の代わりになりません。
賞味期限が切れた缶詰は食べられる?
賞味期限は、おいしく食べられる期限を示すものですが、期限切れ後の安全を保証するものではありません。缶が膨らんでいる、液漏れしている、強くさびているなどの異常があれば食べないでください。
まとめ
非常食用の缶詰は、現実的には1人1日1缶を基本にすると計算しやすくなります。
- 1人分:3日で3缶、1週間で7缶
- 2人分:3日で6缶、1週間で14缶
- 4人分:3日で12缶、1週間で28缶
3食すべての主菜を缶詰でそろえる場合は、この3倍が必要です。ただし、缶詰だけに偏ると保管場所、ごみ、塩分、味の飽きが問題になります。
肉・魚・豆の缶詰と、レトルト食品、アルファ米、パン、スープなどを組み合わせ、家族が普段から食べられる内容で準備しましょう。


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