非常食の主食を準備するとき、「アルファ米だけでいいの?」「ご飯・パン・麺を何個ずつ買えばいい?」と迷うことがあります。
非常食は必要な食数をそろえるだけでなく、調理方法や食感の異なる主食を組み合わせることも大切です。ご飯だけを何日も続けるより、パンや麺を適度に取り入れたほうが、食事の単調さを抑えやすくなります。
結論からいうと、主食は最低でもご飯・パン・麺の3系統を用意するのがおすすめです。1週間分なら、ご飯50%・パン30%・麺20%をひとつの目安にできます。
ただし、この割合は国が定めた基準ではありません。この記事では、公的機関の備蓄例を参考にしながら、断水や停電への対応、食べやすさ、調理の手間を考えた実用的な配分例を紹介します。
この記事の結論
- 主食はご飯・パン・麺の3系統をそろえる
- 商品や味は合計5~7種類程度あると回しやすい
- 基本配分はご飯50%・パン30%・麺20%が目安
- 最初の1日分には調理不要の主食を多めにする
- 家族の好みや年齢に合わせて割合を調整する
非常食の主食は何種類必要?
非常食の主食には、全国共通の「○種類そろえる」という決まりはありません。
農林水産省が紹介している家庭備蓄例にも、米、パックご飯、カップ麺、乾麺、シリアルなど、複数の主食が含まれています。しかし、ご飯・パン・麺の厳密な割合までは指定されていません。
そこで家庭で準備するときは、次の3系統をそろえると分かりやすくなります。
| 主食の系統 | 代表的な食品 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| ご飯類 | アルファ米、パックご飯、保存用おにぎり | 種類が多く、おかずと合わせやすい |
| パン類 | 保存パン、缶パン、クラッカー | 調理せずに食べられる商品が多い |
| 麺類 | 保存ラーメン、カップ麺、乾麺 | 温かい食事を取り入れやすい |
ただし、3系統を1商品ずつ買えば十分という意味ではありません。
アルファ米なら白飯、わかめご飯、五目ご飯、ドライカレーなどに分け、合計5~7種類程度の味や形態を用意すると、同じ食品が続くのを避けやすくなります。
ご飯・パン・麺のおすすめ割合
1人分の主食を準備する場合は、次の割合を基本にするとバランスを取りやすくなります。
| 主食 | 割合の目安 | 1週間・21食の場合 |
|---|---|---|
| ご飯類 | 約50% | 11食 |
| パン類 | 約30% | 6食 |
| 麺類 | 約20% | 4食 |
この割合は公的な統一基準ではなく、次の条件を考慮した本記事独自の配分例です。
- ご飯は種類が多く、主菜と組み合わせやすい
- パンは水や熱源なしで食べやすい
- 麺は食事に変化を付けられる
- 麺は水・お湯・燃料を多く使う場合がある
ご飯を中心にしながら、調理不要のパンと温かい麺を組み合わせることで、停電や断水が続いた場合にも対応しやすくなります。
1人3日分の主食は何個ずつ必要?
1日3食で計算すると、3日分の主食は1人あたり合計9食です。
ご飯・パン・麺を組み合わせるなら、次の内訳が目安になります。
- ご飯類:4食
- パン類:3食
- 麺類:2食
| 日程 | 朝 | 昼 | 夜 |
|---|---|---|---|
| 1日目 | 保存パン | 保存用おにぎり | アルファ米 |
| 2日目 | 保存パン | カップ麺 | 味付きアルファ米 |
| 3日目 | 保存パン | 携帯おにぎり | 保存ラーメン |
災害発生直後は、電気・ガス・水道が使えない可能性があります。1日目は保存パンなどの調理不要品を多めにして、水や熱源を使う食品は生活環境を確認してから食べる構成が現実的です。
非常食全体を何日分備えるかについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
1人1週間分の主食は何個ずつ必要?
1週間分は、1日3食として1人あたり合計21食です。
| 分類 | 数量例 | 具体例 |
|---|---|---|
| ご飯類 | 11食 | アルファ米7食、パックご飯2食、保存用おにぎり2食 |
| パン類 | 6食 | 袋入り保存パン3食、缶パン2食、クラッカー1食 |
| 麺類 | 4食 | カップ麺2食、保存ラーメン1食、乾麺1食 |
4人家族なら、それぞれを4倍して合計84食が目安です。ただし、小さな子どもと大人では1食分の量が異なります。単純に個数だけを増やすのではなく、商品の内容量やカロリーも確認しましょう。
主食を含めた人数別の計算方法は、以下の記事で詳しく紹介しています。
ご飯類を約50%にする理由
非常食の主食では、アルファ米をはじめとするご飯類が中心になります。
味や商品の種類が豊富
アルファ米には白飯だけでなく、五目ご飯、わかめご飯、ドライカレー、えびピラフなどがあります。味の違う商品を組み合わせれば、ご飯類が多くても単調になりにくくなります。
メーカーごとの違いを知りたい場合は、以下の比較記事も参考にしてください。
水でも作れる商品がある
多くのアルファ米は、お湯だけでなく水でも戻せます。停電によってお湯を用意できない場合にも食べられる点がメリットです。
ただし、水で作る場合は完成まで約60分かかる商品があります。食事の時間になってから準備するのではなく、早めに水を入れておく必要があります。
おかずと組み合わせやすい
白飯はカレー、魚や肉の缶詰、レトルトのおかずなどと組み合わせられます。味付きご飯は単品でも食べやすいため、両方を備えておくと使い分けができます。
パン類を約30%入れる理由
保存パンの大きなメリットは、開封後すぐに食べられることです。
アルファ米のように水を入れて待つ必要がなく、カップ麺のようにお湯も必要ありません。断水や停電が同時に起きたときの主食として役立ちます。
発災直後の食事に使いやすい
災害発生直後は、片付けや安否確認などで落ち着いて調理できない可能性があります。袋入りの保存パンや缶パンなら、手間をかけずにエネルギーを補給できます。
朝食に取り入れやすい
普段から朝にパンを食べる家庭なら、非常時にも抵抗なく食べやすいでしょう。甘い保存パンは子どもが食べやすい一方、商品によっては口の中が乾きやすいため、飲料水も一緒に用意します。
パンだけに偏るのは避ける
保存パンは便利ですが、甘い味の商品が続くと飽きることがあります。また、缶入り商品はかさばるため、収納スペースにも注意が必要です。
袋入りパンと缶パンを混ぜて備えると、収納性と保存性のバランスを取りやすくなります。
麺類を約20%にする理由
麺類は、ご飯やパンとは違う食感を楽しめる主食です。温かいスープと一緒に食べられる商品なら、寒い時期の災害でも役立ちます。
食事に変化を付けられる
ご飯や保存パンが続いたところにラーメン、うどん、パスタなどを入れると、献立に変化が生まれます。普段から食べ慣れている味を選べることも利点です。
水と熱源を消費しやすい
麺類には、次のような弱点があります。
- 調理にお湯が必要な商品が多い
- 乾麺はゆでるための水を多く使う
- カセットコンロやボンベを消費する
- スープを飲むと塩分摂取量が増えやすい
- 一般的なカップ麺は長期保存食より賞味期限が短い
そのため、主食のすべてを麺類でそろえるのではなく、全体の2割程度から始めるのが扱いやすいでしょう。
定期的に食べて買い足すローリングストックなら、一般的なカップ麺や乾麺も利用できます。
非常食のローリングストックとは?やり方とおすすめ食品を確認する
水やお湯を使わない主食も必要
アルファ米は水でも作れますが、貴重な飲料水を調理に使うことになります。麺類も、基本的には水と熱源が必要です。
そのため、最低でも最初の1日分は、次のような調理不要品を組み合わせておくと安心です。
- 開封後そのまま食べられる保存パン
- 調理不要タイプの保存用おにぎり
- クラッカーや乾パン
- ようかんや栄養補助食品
- 飲むタイプの長期保存ゼリー
調理不要品だけを集めたい場合は、以下の記事も参考になります。
家族に合わせて割合を調整する
ご飯50%・パン30%・麺20%は、すべての家庭に当てはまる絶対的な割合ではありません。年齢、体調、食物アレルギー、普段の食生活に合わせて変更しましょう。
子どもがいる家庭
子どもには、普段から食べたことのある味を優先します。辛い味付けや硬い食品だけでなく、柔らかい保存パン、甘口のご飯、食べやすいおにぎりなどを入れておきましょう。
1袋が大人向けの量になっている場合、開封後に食べ切れない可能性もあります。小分けしやすい商品が便利です。
高齢者がいる家庭
硬い乾パンやクラッカーを中心にすると、かむ力や飲み込む力によっては食べにくい場合があります。
おかゆ、柔らかいパン、リゾット、スープなどを組み合わせ、本人が無理なく食べられることを確認しておきます。
食物アレルギーがある家庭
同じ商品名でも、味によって原材料やアレルギー表示が異なる場合があります。セット商品を購入するときも、すべての味を食べられるとは限りません。
購入時と実際に食べる前の両方で、パッケージに記載された最新の表示を確認してください。
主食だけでは非常食の備蓄は完成しない
ご飯・パン・麺は、主にエネルギーや炭水化物を補う食品です。主食だけを21食そろえても、食事全体の栄養バランスが整うわけではありません。
次の食品も一緒に準備しましょう。
- 肉・魚・豆を使った缶詰やレトルト食品
- 野菜スープや野菜ジュース
- 乾燥野菜や海藻
- インスタントみそ汁
- 果物の缶詰
- ようかんやビスケットなどのお菓子
- 飲料水と調理用水
非常食の主食をそろえる手順
何を購入するか迷ったら、次の順序で進めると整理しやすくなります。
- 家族の人数に3日または7日を掛けて必要食数を出す
- 食べられない食品やアレルギーを確認する
- ご飯・パン・麺の3系統に分ける
- 最初の1日分として調理不要品を確保する
- 味付けの異なる商品を5~7種類選ぶ
- 飲料水、調理用水、カセットコンロを準備する
- 賞味期限を一覧にして定期的に確認する
最初から完璧な1週間分を買う必要はありません。まず3日分をそろえ、その後、普段食べられる商品を買い足して1週間分へ増やす方法でも構いません。
非常食の主食に関するよくある質問
非常食の主食はアルファ米だけでもよいですか?
必要な食数と水を確保できれば、アルファ米を中心にすることは可能です。ただし、同じ食感が続くことや、水で作ると時間がかかることが弱点です。保存パンや調理不要品も混ぜておくと、断水時や発災直後に対応しやすくなります。
白飯と味付きご飯は何個ずつ必要ですか?
アルファ米のうち、半分程度を白飯、残りを味付きご飯にする方法があります。白飯はおかずと合わせやすく、味付きご飯は単品で食べやすいためです。ただし、おかずをあまり備えない場合は味付きご飯を多めにします。
アルファ米の味は何種類必要?白飯と味付きを何個ずつ備えるか確認する
パックご飯は非常食に使えますか?
常温保存できるパックご飯はローリングストックに利用できます。ただし、多くの商品は電子レンジまたは湯せんでの加熱を前提としています。加熱手段を失った場合に備え、アルファ米や保存パンも併用しましょう。
カップ麺は何個備えればよいですか?
1人1週間分なら、まず2~3個程度から始めるとよいでしょう。カップ麺だけに偏ると水と燃料を多く消費するため、調理不要の主食と組み合わせます。賞味期限を確認し、普段の食事で消費しながら買い足してください。
非常食の主食はどこに保管しますか?
直射日光や高温多湿を避け、取り出しやすい場所に保管します。すべてを1か所に集めるのではなく、キッチン、玄関付近、2階などに分散すると、家の一部へ入れなくなった場合にも取り出せる可能性があります。
まとめ|主食はご飯・パン・麺の3系統を組み合わせよう
非常食の主食は、最低でもご飯・パン・麺の3系統を組み合わせるのがおすすめです。
1週間・21食分を用意する場合は、ご飯11食、パン6食、麺4食をひとつの配分例にできます。さらに味や商品の違いを含め、合計5~7種類程度に分けると、同じ食事が続くのを避けやすくなります。
ただし、ご飯50%・パン30%・麺20%は公式基準ではありません。水や熱源を使えるか、家族が何を食べられるかによって調整してください。
特に災害発生直後に備え、保存パンやそのまま食べられる食品など、調理不要の主食を最低1日分は確保しておきましょう。
主食だけでは不足する栄養もあるため、肉・魚・豆のおかず、野菜を補える食品、飲料水も一緒に準備することが大切です。


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